あの頃の
僕には、何といえばいいのかが分からなかった。
ごめんね、と一言言いたかったのに、
どうして謝るんだと不思議がられそうで、
重いと気持ち悪がられて、
一層距離ができそうで、
たった一言が喉に詰まった。
でも、今ならば分かる。
素直に言えばよかったんだ。
ごめんね。
勉強やらないとって焦っちゃって、
しかも、クラスで友達ができるかが不安で、
君をないがしろにしちゃった。
本当はもっと仲良くしたいのに、
クラスが変わったばかりで、
どう接するのがいいのかが分からなくて、
うまくお話もできない。
だから、これからは一緒にお昼を食べるようにしよう。
クラスが違う分、お昼に会おうよ。
ってね。これでよかったんだ、多分。
そうすれば、彼との縁が切れることもなかった、多分。
でも、もう何を言っても仕方がないね。
時間が巻き戻らないでいいから、
もう一度あの時の僕に、
戻らせてくれないかなぁ。