朝に向かって

愚痴。

気づいたら

僕の母に関する悩みは、

母のアイデンティティに関する悩みに、

すり替わっていた。

 

僕はずっと母親の過干渉に悩んでいて、

やめてほしい、やめてほしい、と伝えていたのだけど、

僕が家事をしたり、身の回りのことを自分でしたり、

自立する素振りを見せ始めたら、

自然と母親からの干渉が減ってきた。

 

だが、止まりはしていない。

なぜなら、母にとって僕の世話を焼くことがアイデンティティでもあるからだ。

 

僕が家事をしなくて済むように、

僕が身の回りのことをしなくて済むように、

先回りして世話を焼くようになった。

 

まぁ、やめろと言ったら、

それも徐々にやめはじめたんだが。

 

僕の母にとって、家事や子どもの世話、

つまり、母親であることはアイデンティティだった。

だが、それは僕がいなくなることで、

崩れ去ってしまう。

いつまでもお互いに依存し合うのはよくないから、

僕はどんどん自立していきたいと思っている。

でも、母がほかにアイデンティティを見つけられないと、

なにかとんでもないことが起こりそうで、

少しだけこわい。

ひとりではきっとできないだろうから、

僕に金銭の余裕ができたら、

一緒に探してあげようと思う。